「楽天モバイルが安いのは知っている。でも、私はdカードGOLD会員だから…」
「ドコモとドコモ光の料金から、毎月10%もdポイントが返ってくる。これを手放すのは、さすがに損じゃない?」
ドコモを長年利用している、多くのdカードGOLD会員が抱える、この根深いジレンマ。年会費11,000円を払ってでも余りある「10%ポイント還元」という強力な特典は、他社への乗り換えをためらわせる、最大の“鎖”となっています。
しかし、その“鎖”、本当にあなたの家計を豊かにしているのでしょうか?
結論:ほとんどの人は、dカードGOLDを解約してでも、楽天モバイルに乗り換える方が「お得」
先に結論から申し上げます。dカードGOLDの10%還元は非常に魅力的ですが、楽天モバイルの月額料金の圧倒的な安さは、そのメリットを凌駕します。ドコモとドコモ光に、合わせて月々25,000円以上支払っているような超ヘビーユーザーでない限り、ほとんどの人は楽天モバイルに乗り換えた方が、年間の手残り金額はプラスになります。
【dカードGOLDの幻想】「10%還元」の仕組みと損益分岐点
まず、dカードGOLDの特典を正しく理解しましょう。
① 10%還元の対象は?
10%還元の対象となるのは、ドコモのスマホ料金(eximo/irumo)と、ドコモ光の月額料金です。端末の分割支払金や、d払い、コンテンツ料金などは対象外である点に注意が必要です。
② 年会費11,000円の「元を取る」には?
dカードGOLDの年会費は11,000円(税込)です。この元を取るためには、年間で11,000ポイント以上の還元を受ける必要があります。つまり、10%還元の対象となるドコモの料金を、年間で110,000円(月平均 約9,167円)以上支払っている必要があります。
【楽天経済圏の現実】楽天モバイルと楽天カードの組み合わせ
一方、楽天モバイルと楽天カードの組み合わせはどうでしょうか。
- 楽天モバイルの料金:データ無制限で、月額最大3,278円。
- 楽天カードの年会費:永年無料。
- 楽天カード支払い特典:楽天モバイルの料金支払いで、1%ポイント還元。
年会費という“初期投資”が不要で、誰でも気軽に始められるのが楽天経済圏の強みです。
【究極シミュレーション】dカードGOLD vs 楽天モバイル|1年間の総支払額を比較
【モデルケース】データ無制限プランを利用し、自宅の光回線も契約している単身者の場合
| ① ドコモ + ドコモ光 + dカードGOLD | ② 楽天モバイル + 他社光回線 + 楽天カード | |
| スマホ料金(月額) | 7,315円(eximo) | 3,278円(Rakuten最強プラン) |
| 光回線料金(月額) | 4,400円(マンション) | 4,400円(同条件と仮定) |
| カード年会費(月換算) | 917円 | 0円 |
| 合計支払い(月額) | 12,632円 | 7,678円 |
| 獲得ポイント(月換算) | 約1,171ポイント(10%還元) | 約76ポイント(1%還元) |
| 実質的な月額負担 | 11,461円 | 7,602円 |
【検証結果】年間で「46,308円」の差額!
このシミュレーションでは、10%還元のメリットを最大限に享受してもなお、楽天モバイルに乗り換えた方が、年間で46,308円もお得になるという結果になりました。10%という数字のインパクトに惑わされず、実際の支払額と還元額を冷静に計算することが、いかに重要かが分かります。
まとめ:「10%の呪縛」から解放され、本当の節約を手に入れよう
dカードGOLDの10%還元特典と、楽天モバイルへの乗り換え、どちらがお得になるかを徹底比較しました。
- dカードGOLDの10%還元は強力だが、年会費の元を取るには、月々9,167円以上の支払いが必要。
- 楽天モバイルのプラン料金の圧倒的な安さは、多くの場合、10%還元のメリットを上回る。
- 「10%」という言葉の響きに惑わされず、ご自身の実際の支払額を基に、冷静に損得を計算することが重要。
dカードGOLDの10%還元は、長年のドコモユーザーにとって、もはや「アイデンティティ」の一部かもしれません。しかし、その“呪縛”から一歩踏み出すことで、あなたの家計には、年間数万円という、無視できないほどの大きな余裕が生まれる可能性があります。
ぜひこの機会に、ご自身の請求書と向き合い、本当の「お得」とは何かを、見つめ直してみてはいかがでしょうか。

