「楽天モバイルって、通話は無料だけど、SMS(ショートメッセージ)も無料なの?」
「iPhoneで楽天モバイルを使うと、SMSが有料になるって聞いたけど、本当?」
「一番心配なのは、LINEとか銀行の“SMS認証”がちゃんと届くかどうか…。これが届かないと乗り換えられない!」

楽天モバイルへの乗り換えを検討する際、料金やデータ無制限、無料通話といった華やかなメリットの影で、多くの人が密かに、そして非常に強く不安に感じているのが、この「SMS問題」です。

特に、各種サービスのログインや本人確認に必須である「SMS認証コード」が受信できなくなることは、生活の根幹を揺るがす死活問題。この一点が不安で、乗り換えをためらっている方も少なくないでしょう。

ご安心ください。この記事では、楽天モバイルのSMSに関するその“分かりにくい仕様”の全てと、最大の懸念点である「SMS認証は届くのか?」という疑問に対して、明確な答えを提示します。

結論:SMS認証は全く問題なし!ただし「送信」はOSで料金が異なる

まず、最も重要な結論からお伝えします。

  • 【SMS認証】
    LINE、銀行、クレジットカード、各種Webサービスなどの「SMS認証コード」は、iPhoneでもAndroidでも、全く問題なく無料で受信できます。
  • 【SMS送信】
    料金は、お使いのスマートフォンのOSによって、以下のように明確に分かれます。
    Androidスマホ → 無料(Rakuten Linkアプリ利用時)
    iPhone → 有料(3.3円/70文字~)

乗り換えにおける最大の懸念点であった「SMS認証」は、心配無用です。ただし、iPhoneユーザーがSMSを“送る”場合には注意が必要、というのが楽天モバイルのSMS仕様の全てです。

では、なぜこのような複雑な違いが生まれるのか、その仕組みを深掘りしていきましょう。

【最重要】なぜSMS認証コードは「絶対に届く」と言い切れるのか

多くの人が、「Rakuten LinkはIP電話だから、SMS認証が届かないのでは?」と誤解しています。しかし、これはSMSの仕組みを理解すれば、すぐに解消される不安です。

  • SMSの「受信」は、アプリではなく「回線」で行われる
    SMSメッセージは、あなたがどのアプリを使っているかに関係なく、携帯電話の「回線(電話番号)」そのものに直接送られてきます。そして、それを受け取るのは、Rakuten Linkアプリではなく、スマートフォン本体のOS(基本ソフト)です。
  • 楽天モバイルは、SMS受信機能を標準提供している
    楽天モバイルのSIMは、SMSを受信するための機能を当然備えています。

つまり、楽天モバイルのSIMで電波が立っている(アンテナが立っている)限り、SMS認証コードは、iPhoneであっても、Androidであっても、標準のメッセージアプリ(iPhoneの「メッセージ」、Androidの「メッセージ」など)に、これまでと全く同じように、確実に届きます。

この事実こそが、楽天モバイルへの乗り換えをためらう必要がない、最大の理由です。

なぜ?iPhoneとAndroidでSMS「送信」料金が違う理由

では、なぜSMSを「送る」時だけ、OSによって料金が変わるのでしょうか。これは、Rakuten Linkアプリの仕組みと、OSの仕様の違いに原因があります。

Androidの場合:Rakuten LinkがSMS機能を“上書き”できる

Android OSでは、サードパーティ製のアプリが、SMSの送受信機能を「デフォルトのSMSアプリ」としてOS標準の機能に取って代わる(上書きする)ことを許可しています。

「Rakuten Link」アプリは、この仕組みを利用し、AndroidのSMS送受信機能をまるごと乗っ取ります。そして、送信するSMSをRCS(リッチコミュニケーションサービス)というデータ通信の規格に変換して送信します。楽天モバイルはデータ通信が無制限のため、結果として、AndroidユーザーはRakuten Linkアプリを使う限り、SMS送信が実質無料になるのです。

iPhoneの場合:AppleがSMS機能の“上書き”を許可していない

一方、AppleのiOSは、セキュリティを重視する設計思想から、サードパーティ製のアプリが、OSの根幹機能であるSMS送受信機能を「乗っ取る」ことを許可していません。

そのため、iPhone版のRakuten Linkアプリは、SMS送信機能を持つことができません。iPhoneでSMSを送信する際は、必ずOS標準の「メッセージ」アプリ(緑色のアイコン)を使うことになります。そして、この標準アプリが使うのは、昔ながらの電話回線網であり、3.3円/70文字(税込)~という従来のSMS送信料がそのまま発生してしまうのです。

【料金・機能比較表】楽天モバイル SMS仕様のすべて

機能 Android (Rakuten Link利用) iPhone (標準アプリ利用)
SMS認証コードの受信 ◎ 無料
(標準アプリに届く)
◎ 無料
(標準アプリに届く)
国内SMS送信 ◎ 無料 × 有料
(3.3円/70文字~)
国内SMS受信 ◎ 無料 ◎ 無料

iPhoneユーザーのための、SMS送信料「節約術」

では、iPhoneユーザーはSMS送信料を払い続けるしかないのでしょうか?いいえ、対策はあります。

  • 対策①:相手も楽天モバイル(Android)なら「Rakuten Linkチャット」を使う
    相手もRakuten Linkを使っている場合、SMSではなく「チャット」として認識され、データ通信でのやり取り(もちろん無料)になります。
  • 対策②:Appleユーザー同士なら「iMessage」を使う
    相手もiPhoneユーザーであれば、SMS(緑色の吹き出し)ではなく、自動的にデータ通信を使用する「iMessage」(青色の吹き出し)でのやり取りになるため、無料です。
  • 対策③:LINEや他のメッセージアプリを積極的に使う
    現在、SMSでなければ送れない相手は非常に稀です。可能な限り、LINEやその他のSNSのメッセージ機能で代替する習慣をつけましょう。

「国際SMS」の料金はどうなる?

海外とのSMS送受信については、料金体系が異なります。

  • 海外での送受信
    楽天モバイルの国際ローミング中(海外滞在中)は、SMSの受信は無料です。ただし、**送信は(AndroidのRakuten Linkを使ったとしても)1通あたり100円(免税)**の料金がかかります。
  • 日本から海外への送信
    日本から海外の電話番号へSMSを送る場合も、1通あたり100円(免税)がかかります。

まとめ:SMS認証の不安は解消!安心して楽天モバイルへ

楽天モバイルのSMSに関する、複雑な仕様を解説しました。

  • 最大の不安点である「SMS認証コードの受信」は、iPhoneでもAndroidでも全く問題ない。
  • SMS送信は、AndroidユーザーならRakuten Linkで無料。
  • iPhoneユーザーはSMS送信が有料になるが、iMessageやLINEで代替すれば問題なし。

「SMS認証が届かないかもしれない」という、乗り換えを阻んでいた最後の不安は、これで解消されたはずです。iPhoneユーザーの方は「SMS送信は有料」という点だけを理解しておけば、あとは楽天モバイルの圧倒的なコストメリットを享受するだけです。