「今契約しているドコモやauの通信品質には満足している」
「でも、毎月の“かけ放題オプション”(月額1,980円)が高すぎる…」
「メイン回線はそのままに、電話をかける時だけ楽天モバイルの無料通話を使えたら最強なのに…」

そのようにお考えのあなた。そのアイディアは、まさに楽天モバイルのメリットを最大限に引き出す、最も賢い使い方の一つです。

楽天モバイルのSIMを「通話専用のサブ回線」として契約し、メイン回線と併用(デュアルSIM)することで、メインキャリアの安定したデータ通信品質はそのままに、国内通話料だけを完全に0円にすることが可能になります。

この記事では、楽天モバイルを月額1,078円(税込)で「通話専用SIM」として運用するための、具体的な設定方法、2台目スマホでの活用術、そしてその仕組みまで、徹底的に解説します。

結論:「デュアルSIM設定」で楽天モバイルのデータ消費を止め、通話料0円の恩恵だけを受ける

先に結論から申し上げます。楽天モバイルを通話専用として運用する鍵は、スマートフォンの「デュアルSIM設定」にあります。

「データ通信は全てメイン回線(ドコモ/auなど)を使い、音声発信だけRakuten Link(楽天モバイル)を使う」
このように設定することで、楽天モバイル側のデータ消費をほぼ0GBに抑え込み、料金を最安の3GB以下(月額1,078円)に固定したまま、国内通話無料の恩恵だけを享受できるのです。

なぜ「通話専用」なのに楽天モバイルの契約が必要なのか?

「Rakuten Link(無料通話)」は、IP電話という技術を使い、データ通信網を経由して音声通話を行います。この「Rakuten Link」アプリを利用する権利を得るために、「Rakuten最強プラン」の回線契約が1つ必要になるのです。

つまり、楽天モバイルのSIMは、「Rakuten Link」という最強の無料通話アプリを使うための**「ライセンスキー(鍵)」**のようなもの、と考えると分かりやすいでしょう。

【コスト比較】「かけ放題オプション」 vs 「楽天モバイル通話専用SIM」

この運用がどれほどお得か、大手キャリアのかけ放題オプションと比較してみましょう。

大手キャリアのかけ放題OP 楽天モバイル通話専用SIM
月額料金(目安) 約 1,980円 1,078円(3GB以下)
差額(月) 月あたり 約902円お得
差額(年) 年間で 約10,824円もお得!

メイン回線の「かけ放題オプション」を解約し、代わりに楽天モバイルの「通話専用SIM」を契約するだけで、年間1万円以上の通信費が節約できる計算になります。

【最重要】料金を1,078円に固定する、デュアルSIMの具体的な設定術

楽天モバイル側のデータ消費を防ぎ、料金を1,078円に固定するための、OS別の具体的な設定手順です。eSIMでの契約を強く推奨します。

iPhoneの場合

  1. メイン回線(ドコモなど)と、楽天モバイルのeSIMをiPhoneに設定します。
  2. 「設定」→「モバイル通信」に進みます。
  3. 「モバイルデータ通信」をタップし、ここでメイン回線(ドコモなど)を選択します。
  4. 「デフォルトの音声回線」をタップし、これもメイン回線(ドコモなど)を選択します。(※これはあくまで標準アプリのデフォルト設定です。Rakuten Linkからの発信は楽天回線扱いになるのでご安心ください)
  5. 【最重要】「モバイルデータ通信」の設定画面に戻り、「モバイルデータ通信の切り替えを許可」のスイッチを“オフ”にします。

上記ステップ5が最も重要です。ここをオフにすることで、メイン回線の電波が悪い時に、楽天モバイルのデータ通信が勝手に使われるのを防ぎ、データ消費をほぼ0GBに固定できます。

Android(Google Pixelなど)の場合

  1. 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」に進みます。
  2. 「モバイルデータ」をタップし、メイン回線(ドコモなど)を選択します。
  3. 「通話」をタップし、「毎回確認」またはメイン回線(ドコモなど)を選択します。
  4. 【最重要】楽天モバイルのSIM設定画面を開き、「モバイルデータ」のスイッチを“オフ”にします。

OSレベルで楽天モバイルのデータ通信を遮断することで、Rakuten Linkはメイン回線のデータ通信を使って動作するようになり、楽天モバイル側のデータ消費を0GBに固定できます。

【活用編】「2台目スマホ」を通話専用機にする方法

デュアルSIMに対応していない場合や、仕事とプライベートを端末ごと分けたい場合は、機種変更で使わなくなった「お古のスマホ」を“通話専用機”として復活させるのも賢い方法です。

  • 運用方法①(Wi-Fiのみ):お古のスマホに楽天モバイルのSIM(eSIM)を設定し、モバイルデータ通信はオフ。自宅や職場のWi-Fi環境下でのみ、Rakuten Linkを使って通話する。これならデータ消費は0GBで、料金は確実に月額1,078円です。
  • 運用方法②(テザリング):外出先で使いたい場合は、メインスマホのテザリング(Wi-Fi)をお古のスマホに接続し、Rakuten Linkを利用します。この場合も、楽天モバイル側のデータ消費は0GBです。

通話専用SIMとしての注意点

  • 緊急通報(110, 119)は標準アプリから
    Rakuten Linkは緊急通報に対応していません。緊急時は、必ずOS標準の電話アプリ(メイン回線)から発信してください。
  • 通話品質は「データ回線の品質」に依存する
    Rakuten Linkの通話品質は、それ自体が使うデータ回線(メイン回線のドコモや、Wi-Fi)の通信品質に左右されます。データ回線が安定していれば、通話品質もクリアです。
  • 0570(ナビダイヤル)は有料
    これはRakuten Linkの共通仕様ですが、0570から始まる番号への通話は無料対象外となり、有料です。

まとめ:月額1,078円で「かけ放題オプション」を手に入れよう

楽天モバイルを「通話専用SIM」として活用する、上級テクニックを解説しました。

  • 楽天モバイルは「通話専用」として契約するのが、コスト削減効果が非常に高い。
  • デュアルSIM設定で、楽天モバイル側のデータ通信を意図的にオフにするのが鍵。
  • これにより、月額1,078円で「国内通話完全無料」の環境が手に入る。

メイン回線のキャリアを変える必要はありません。今の安心感はそのままに、楽天モバイルを「最強の通話オプション」として追加する。これこそが、賢いスマホユーザーがたどり着く、一つの完成形です。