「楽天モバイルに乗り換えたいけど、手続きの途中で、電話が使えなくなったらどうしよう…」
「仕事で電話を使うから、何時間も不通になるのは絶対に困る!」
「SIMを入れ替えてから、開通がうまくいかなかったら…?」
携帯キャリアの乗り換え(MNP)において、多くの人が最後の最後で二の足を踏んでしまう、最大の恐怖。それが、回線の切り替えに伴う「不通期間(電話もインターネットも使えない時間)」の発生です。
しかし、もしあなたが、その“昔の常識”を理由に乗り換えをためらっているのだとしたら、非常にもったいない選択をしているかもしれません。技術の進化により、現在の乗り換えプロセスは、あなたが想像するよりも、遥かに安全で、スムーズになっているのです。
結論:MNPワンストップなら「不通期間」は、ほぼ“ゼロ”
先に結論から申し上げます。現在主流となっている「MNPワンストップ方式」を利用して、大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンクなど)から楽天モバイルへ乗り換える場合、電話が不通になる時間は、長くても数分程度。多くの場合、ほとんど意識することなく、シームレスに切り替えが完了します。
「半日や1日、電話が使えなくなる」といった事態は、もはや過去の物語です。
なぜ「不通期間」の“怖い噂”が生まれたのか?昔と今の違い
では、なぜ多くの人が不通期間を恐れているのでしょうか。それは、数年前までの乗り換え方式が、非常にアナログだったからです。
旧方式(MNP予約番号):手動での切り替えが“空白の時間”を生んだ
かつては、乗り換え元のキャリアで「MNP予約番号」を発行し、新しいキャリアに申し込むのが一般的でした。この方式では、新しいSIMカードが届いた後、ユーザー自身が電話やWebサイトで「回線切り替えの手続き」を行う必要がありました。この“手動”の切り替え申請から、実際に回線が切り替わるまでの数時間に、不通期間が発生するリスクがあったのです。
新方式(MNPワンストップ):全てが“自動化”された革命
現在、楽天モバイルと主要キャリアとの間の乗り換えでは、「MNPワンストップ方式」が採用されています。これは、楽天モバイルへの申し込み手続きの中で、乗り換え元キャリアの解約と、回線の切り替えが全て自動的に行われる画期的な仕組みです。ユーザーが手動で切り替え申請をする必要がなくなったことで、不通期間が発生するリスクが、極限までゼロに近づきました。
【時系列で解説】MNPワンストップでの、実際の回線切り替えの瞬間
では、具体的にどのタイミングで回線は切り替わるのでしょうか。
- 楽天モバイルへの申し込み完了時点:
この時点では、まだ何も起こりません。あなたのスマートフォンでは、これまで通り、乗り換え元のSIMが問題なく使えています。 - 新しいSIMカードの到着 / eSIMプロファイルの発行時点:
まだ何も起こりません。これまで通り、乗り換え元のSIMが使えています。 - 「my 楽天モバイル」で開通手続きを開始した瞬間【ここが本番】:
新しいSIMをスマホに入れ(eSIMの場合はダウンロードし)、「my 楽天モバイル」アプリから開通手続きを開始します。この操作が、回線切り替えの“引き金”となります。 - 数分後、乗り換え元のSIMが「圏外」に:
開通手続きを開始して数分経つと、これまで使っていたSIMのアンテナ表示が「圏外」になります。これが、古い回線が解約された合図です。ここから、不通期間がスタートします。 - さらに数分後、楽天モバイルのSIMが電波を掴む:
「圏外」になってから、通常は2~10分程度で、新しい楽天モバイルのSIMが電波を掴み、アンテナが立ちます。これで、不通期間は終了です。
つまり、不通になる時間は、あなたが自宅などのWi-Fi環境で、開通手続きを開始してから、わずか数分間だけなのです。
万が一、開通がうまくいかず「不通期間」が長引いた時の解決策
ごく稀に、開通手続きがうまくいかず、「圏外」のままになってしまうことがあります。しかし、慌てる必要はありません。以下の手順で、ほとんどの問題は解決できます。
① スマートフォンを再起動する
最も基本的で、最も効果的な解決策です。SIMの情報を正しく読み込むために、まずはスマートフォンを再起動してみてください。9割以上のトラブルは、これで解決します。
② 機内モードのオン・オフを試す
再起動しても改善しない場合、一度「機内モード」をオンにし、30秒ほど待ってから、再度オフにしてみてください。これにより、スマートフォンが強制的に電波を再検索し始めます。
③ APN設定を確認する(Androidの場合)
iPhoneの場合は不要ですが、一部のAndroid端末では、APN(アクセスポイント名)が自動で設定されないことがあります。APNが「rakuten.jp」に設定されているかを確認しましょう。
→ 詳しくは『楽天モバイルのAPN設定方法』をご覧ください。
④ Wi-Fiに接続し、「チャットサポート」に連絡する
上記の全てを試しても改善しない場合は、自宅のWi-Fiなどに接続し、「my 楽天モバイル」アプリから「チャットサポート」に連絡しましょう。電話回線が使えなくても、チャットならリアルタイムでオペレーターに相談できます。
まとめ:「不通期間の恐怖」は、もはや過去の幻想
楽天モバイルへ乗り換える際の「不通期間」について解説しました。
- 「MNPワンストップ方式」の登場により、乗り換え時の不通期間は、わずか数分程度に激減した。
- 開通手続きは、Wi-Fi環境のある自宅など、落ち着いた場所で行うのが成功の鍵。
- 万が一、開通トラブルが起きても、再起動や機内モードのオンオフで、ほとんどの場合は解決する。
「電話が長時間使えなくなるかもしれない」という、乗り換えに対する最後の恐怖は、もはや過去の幻想です。正しい知識を身につけ、安心して、お得な楽天モバイルへの第一歩を踏み出してください。

